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【プレスリリース】 4K映像の太平洋・大西洋横断伝送実験に世界で初めて成功

2007年10月26日更新[記者会見・プレスリリース]

2007年10月26日

報道関係者各位

慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構

4K映像の太平洋・大西洋横断伝送実験に世界で初めて成功

慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(以下、DMC機構)は、9月17・18日、チェコのプラハで開催された、光技術を利用した超高速大容量の通信が可能な研究開発用ネットワークの国際コミュニティGLIF(*1)の年次会合において、慶應義塾大学を含む国際研究推進NPO CineGrid(*2)に参加する日米欧合計7大学・組織からの4K映像(ハイビジョンの4倍以上の高精細な画像)と5.1チャネルのサラウンドオーディオ信号を、CESNET(*3)のサポートによりプラハ近郊(チャールズ大学およびバランドフ映画スタジオ)までストリーミング転送・上映する実験を行い、成功しました。太平洋・大西洋を北米経由で横断する最長の転送実験であり、世界規模での4K映像のネットワーク配信・上映の可能性を実証する成果です。
同時に、プラハのバランドフスタジオとトロントのライアソン大学をブロードバンドネットワーク接続した4K映像のリアルタイム遠隔色補正実験を行い、4K映像を遠隔で制作、編集する技術の実現可能性を証明しました。これらはいずれも世界初の試みで、光技術による国際超高速ネットワークの先進的アプリケーション実験として、ネットワーク研究者・技術者の高い評価を得ました。 

1.プロジェクト内容
DMC機構では4K映像を用いたアプリケーションの研究を行っています。特にネットワークを用いた新たな映像コンテンツの制作、編集・共有技術とその利用法の実証を、CineGridに参加して進めています。今回のネットワーク配信実験は、その実証実験の一環で、4K映像と5.1チャネルのデジタルオーディオ信号を欧州に向けて伝送再生するという、世界初の試みを行ったものです。
特にDMC機構(慶應義塾大学三田キャンパス)からの配信は、太平洋・大西洋を北米経由で横断する最長の転送距離となっています。また、遠隔色補正実験は、データ容量の大きい4K映像コンテンツをプラハに置いたまま、色補正の制御だけをトロントから行う試みで、今後の遠隔映像制作・編集技術の開拓に先鞭をつけました。

2.実験概要
今回の実験は、DMC機構も主要メンバーとして参画するCineGridの実証実験として実施しました。DMC機構から欧州への太平洋・大西洋回線(シカゴのStar LightノードならびにプラハのCzechLight経由)には研究開発用光ネットワークを用いています。
実験1:[ネットワーク配信実験] -日米欧からプラハへ
実写やコンピュータグラフィックによる4K映像と5.1チャネル音声を、DMC機構、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)Calit2(*4)、南カリフォルニア大学(USC)、ワシントン大学、イリノイ大学シカゴ校(UIC)、イリノイ大学アラバマシャンペーン(UIUC) NCSAおよびアムステルダム大学から、プラハのチャールズ大学、バランドフ映画スタジオに向けて配信しました。4K映像と5.1チャネルオーディオの配信にはNTT製のJPEG2000 CODEC(*5)を使用しました。
実験2:[遠隔色補正実験] -プラハ・トロント間
プラハで撮影した4K映像を、トロントから遠隔リアルタイムで映像色補正を行うという実証実験を行いました。色補正は、まずトロントでハイビジョン品質のプロキシ編集(*6)を行い、HD映像でプラハと共同作業し、最終結果をプラハで4K映像を見ながら確認しました。プラハとトロントの間では以下の3種類の転送が行われました。(1)双方向に共同作業ができるようにハイビジョン品質の双方向テレビ電話データの転送。(2)トロントに設置された操作卓からプラハの本体への色補正用の制御情報の転送。 (3)プラハの本体で計算されたハイビジョン品質の色補正映像のトロントへの転送。

なお、4K撮影にはDalsa Origin 16 digital cinema camera、 編集にはFilmLight BaseLight4 color correction system、およびプロジェクションはSony SRX-110 projectorを用いました。

3.今後について
DMC機構では、今後も4K映像による新たなアプリケーションに向けて、劇場映画以外のエンタテインメント(たとえば、オペラ、ミュージカル、コンサート、演劇、歌舞伎、ゲーム、スポーツなど)、ならびに科学研究・医学、教育分野での利用法の実証実験を、共同研究ならびにCineGridメンバーと共に進めていく予定です。

参考資料
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図1:GLIF2007における超高精細映像の伝送システム図(慶應義塾大学DMC機構を含む7拠点から右下のプラハ・チャールズ大学、バランドフスタジオに向けて配信を行った)

Calit2: California Institute for Telecommunications and Information Technology
USC: University of Southern California, School of Cinematic Arts,
University of Washington, ResearchChannel,
UIC: University of Illinois Chicago, Electronic Visualization Lab.,
UIUC/NCSA: University of Illinois at Urbana-Champaign/National Center for Supercomputing Applications,
University Amsterdam/SARA

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図2:プラハのバランドフスタジオにおける超高精細映像の上映風景
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図3:遠隔色補正実験の概要

*1 GLIF (Global Lambda Integrated Facility) [  http://www.glif.is/  ]
光ネットワークを利用した広帯域ラムダネットワークを推進する国際的な組織。GLIFは、国際的なラムダネットワークを提供し、科学技術研究に協力するとともに、これからのラムダネットワークに必要なミドルウエア開発を行う。
*2 CineGridとは、高品質なデジタルメディアを最新のネットワーク技術とGrid Computing技術で分散して政策、流通、蓄積させるための国際的な研究推進NPOであり、DMC,UCSD,Lucasfilm,Ciscoなど。 http://www.cinegrid.org/index.php
*3 CESNETとはチェコ共和国の学術ネットワークである。 http://www.ces.net/
*4 Calit2 (California Institute for Telecommunications and Information Technology)
カリフォルニア通信情報機構。カル・アイティーツーと発音。カリフォルニア大学が、サンディエゴ校(UCSD)およびアーバイン校(UCI)にまたがって設置した通信および情報技術に関する研究機関。
*5 JPEG2000コーデック
デジタル化された映像信号を、高品質符号化方式JPEG2000フォーマットで、符号化もしくは復号する装置。JPEG2000は、1画面(フレーム)単位でデジタル情報量を減らす圧縮符号化方式。フレーム間の相関を用いるMPEGに比べて圧縮率は低いが品質に優れている。
*6 プロキシ編集
超高精細映像の編集。加工を超高精細映像のまま行うと、処理負荷が非常に高いため、まず、品質を落とした映像を用いて編集。加工処理を行い、このときの操作記録に基づいて超高精細映像の編集・加工を行う編集方法。最終的な出力映像は、超高精細映像を用いて行われるため、品質に影響はない。

* DMC機構は文部科学省の科学技術振興調整費の支援を受けています。
* 本資料は文部科学記者会、科学記者会、各紙科学部などに送信させていただいております。

本発表資料のお問い合わせ先
慶應義塾広報室:吉野、中島  TEL 03-5427-1541 FAX 03-5441-7640
E-mail: m-koho[at]adst.keio.ac.jp
URL: http://www.keio.ac.jp/

参考資料 PDF:
http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2007/kr7a43000000a8i8-att/071026.pdf