【プレスリリース】 国際シンポジウム「パブリック・ドメイン」収蔵品資料の活用へ向けて
2009年1月13日
報道関係者各位
慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構
国際シンポジウム「パブリック・ドメイン」収蔵品資料の活用へ向けて
―美術館・博物館収蔵の映像資料の「フェア・ユース」を考える―開催(1/24・25)
慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(以下、DMC機構)は、2009年1月24日(土)~25日(日)の2日間にわたり、国際シンポジウム「パブリック・ドメイン収蔵品資料の活用へ向けて―美術館・博物館収蔵の映像資料のフェア・ユースを考える―」を開催いたします。
つきましては、本企画の掲載、および当日のご取材をよろしくお願い申し上げます。
1.開催概要
(1)日 時:2009年1月24日(土)9:30~18:00,25日(日)9:30~17:30
(2)会 場:慶應義塾大学三田キャンパス北館ホール
(交通アクセス: http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html )
(3)対 象:参加無料、どなたでも参加いただけます。
(4)定 員:240名
(5)申込方法:事前申し込み
件名:「『パブリック・ドメイン収蔵品資料の活用へ向けて』参加申し込み」
お名前、ご所属、連絡先(電話およびE-mail)をお書きの上、下記のアドレスまでお申し込みください。
E-mail: mccp[at]ml.dmc.keio.ac.jp ※[at]を@にしてお送りください。
(6)言 語:日英同時通訳
(7)主 催:慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構
(8)助 成:国際交流基金日米センター
(9)後 援:アメリカ大使館、フランス大使館(予定)、韓国大使館・韓国文化院、カナダ大使館、日本ミュージアム・マネジメント学会、全日本博物館学会、日本展示学会、アート・ドキュメンテーション学会、財団法人日本博物館協会
(10)協 力:東京都歴史文化財団トーキョーワンダーサイト、オリンパス株式会社未来創造研究所、株式会社文化環境研究所(予定)、早稲田システム開発株式会社、株式会社BCCKS
(11)問い合わせ先:DMC機構 担当山村
電話:03-5418-6432(代表)/ E-mail: mccp[at]ml.dmc.keio.ac.jp
(12)U R L: http://museum.dmc.keio.ac.jp/symposium2009/
2.趣旨
パブリック・ドメイン資料(*ここでは著作権切れの著作物に限定せず、図書館、美術館、博物館などの公共機関に属する寄贈資料を含む)は、グーグルやマイクロソフトといったIT企業によって競い合うかのようにデジタル化が進められています。一方で、少数の民間企業がパブリック・ドメインの資料をコントロールすることの危険性についての懸念もあります。そのため多くの米国の大学、図書館、NPO機関は、企業に頼らない独自のデジタル化プロジェクトの推進を提唱しているところです。残念ながら、日本やアジア諸国では、こうした「懸念」が議論の遡上にのぼる機会が少なく、それ以前に、「パブリック・ドメイン」、及び「フェア・ユース」の定義が曖昧です。
「パブリック・ドメイン」、「フェア・ユース」の定義と、活用のためのガイドラインを世界で共有し、消費材としてのコンテンツの著作権論議とは異なる、教育・研究目的でデジタル化された資料をオンライン活用する環境を整えることが本シンポジウムの目的です。
また、インターネットは、民主主義を実現するためのコミュニケーション・ツールになり得るという基本理念に立ちかえり、ビジネス界、文化機関、市民社会の異なる分野の担い手を結びつける創造的ネットワークと対話の形成・促進を実現するため、私たちはこのテーマでのシリーズ・レクチャーを開催することを考えました。同時に米、欧、アジア地域でのディスカッション、準備会合を経て明確な論点を設定し、東京における公開シンポジウムを通じて、できる限り多くの人々と理念を共有することを目指しております。
3.プログラム
1日目:1月24日(土)
9時30分~ 9時45分:プログラムチェアよりご挨拶
岩渕潤子(慶應義塾大学DMC機構)
9時45分~10時30分:セッションI プレゼンテーションI
「ミュージアムと共有文化財:知財の枠を超えて」
デイヴィッド・ビアマン(アーカイブズ&ミュージアム・インフォーマティクス共同経営者、ミュージアムズ・アンド・ザ・ウェブ会議主催)
※コーヒー・ブレーク
11時00分~12時15分:セッションII:オープン・クリティーク
「世界のミュージアム・ウェブの現状と課題」
【現場からの報告と問題提起】
ジェニファー・トラント(アーカイブズ&ミュージアム・インフォーマティクス共同経営者、ミュージアムズ・アンド・ザ・ウェブ会議主催)
【モデレーター】
今村有策(トーキョーワンダーサイト館長)
【コメンテーター】
ヴァンサン・ピュイグ(ポンピドゥーセンター・IRI研究所副所長)
安藤摂(株式会社BCCKS【ブックス】CSO)
前田富士男(慶應義塾大学文学部教授、アートセンター所長)
※昼食
13時45分~14時15分:セッションIII
各国より現状報告とケース・スタディーの紹介・報告I韓国
べ・キドン(漢陽大学博物館館長、韓国博物館協会会長)
14時30分~15時00分:セッションIII
各国より現状報告とケース・スタディーの紹介・報告IIフランス
ヴァンサン・ピュイグ(ポンピドゥーセンター・IRI研究所副所長)
*コーヒー・ブレーク
16時00分~16時30分:セッションIII
各国より現状報告とケース・スタディーの紹介・報告III台湾
ツァイ・チュンミン(台湾大学センター・オブ・デジタル・アーカイヴス研究員)
16時45分~17時15分:セッションIII
各国より現状報告とケース・スタディーの紹介・報告IVアメリカ
エドワード・イフシン(パシフィックビジョンパートナーズコンサルタント)・ゴードン・ノックス(スタンフォード大学人文研究所【SHL】グローバル・イニシアティヴス担当)
2日目:1月25日(日)
9時30分~ 9時45分:慶應義塾大学よりご挨拶
9時45分~10時30分:セッションIV プレゼンテーションII
「知財クライシスをいかに打開すべきか?」
ウィリアム・フィッシャー(ハーバード大学法科大学院バークマン・センターファカルティ・ディレクター)
10時45分~11時30分:セッションV プレゼンテーションIII
「知財へのアクセスを考える現実的ビジネスモデルとは?」
スチュワート・シーフェイ(イメージ・フォートレスメディア部門代表)
*昼食
13時15分~14時30分:セッションVI:パネル・ディスカッション
「コンテンツホルダーとしての美術館・博物館の理想とは?」
【チェア】岩渕潤子(DMC機構教授)
【現場からの報告と問題提起】鎮目良文(たばこと塩の博物館学芸員)
【パネリスト】樺山紘一(印刷博物館館長)
福原義春(東京都写真美術館館長)
池上徹彦(文部科学省宇宙開発委員会委員)
*コーヒー・ブレーク
15時00分~16時15分:セッションVII:パネル・ディスカッション
「知財:望ましいナショナル・ポリシーと現実的な対応」
【チェア】金正勳(DMC機構准教授)
【パネリスト】伊藤真(弁護士・弁理士)
上野達弘(立教大学法学部准教授)
藤川義人(弁護士、弁理士、京都大学産官学連携センター客員准教授)
16時30分~17時30分:セッションVIII:総括
実践的モデル提案へ向けてのディスカッション
金正勳 (DMC機構准教授)
岩渕潤子(DMC機構教授)他、スティアリング・コミティー・メンバー
慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(DMC機構)
2004年に文部科学省科学技術振興調整費の戦略的研究拠点育成プログラムに採択され、設立。デジタルコンテキストの創造と流通の活動を一般の人々に開放し、新しい産業分野を切り拓くことを目的に、研究開発・国際流通促進・人材育成を展開。
科学技術振興調整費
総合科学技術会議の方針に沿って、重要事項の総合推進調整を行う経費であり、政策誘導効果の高いものに活用されるものです。特に戦略的研究拠点育成は事業は、組織の長の優れた構想とリーダーシップにより研究開発機関の組織改革を進め、国際的に魅力のある卓越した人材育成・研究拠点に育成を図ることを目的としています。
※文部科学省記者会、科学記者会、新聞各紙社会部、経済部、文化部に送信させていただいております。
本発表資料のお問い合わせ先
慶應義塾広報室 兒玉
TEL:03-5427-1541 FAX:03-5441-7640
Email:m-koho[at]adst.keio.ac.jp http://www.keio.ac.jp/
参考資料PDF:
http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2008/kr7a43000000mwzo-att/090113_1.pdf