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【プレスリリース】 慶應義塾オープンコースウェア(*1)の次世代化に向けての新展開 -動画/音声コンテンツへメモを挟めるキャスタリアのfusen(*2)を採用-

2008年7月3日

報道関係者各位

慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構
キャスタリア株式会社

 

慶應義塾オープンコースウェア(*1)の次世代化に向けての新展開
-動画/音声コンテンツへメモを挟めるキャスタリアのfusen(*2)を採用-

慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(本部:東京都港区、塾長:安西祐一郎、以下「DMC機構」)とキャスタリア株式会社(本社:東京都文京区大塚1-5-18、山脇智志社長、以下「キャスタリア」)は、慶應義塾オープンコースウェア(以下、「Keio OCW」)の動画配信にキャスタリアによる学習ツールfusenを対応させたオープンなネット協調学習環境の提供及び、学び系ポッドキャスト(*3)ポータルサイト「castalia.jp」内に専用サイト「慶應義塾OCWチャンネル」の設置を開始します。
これにより学習者は講義動画ポッドキャストすべてのコンテンツに好きなタイミングで付箋型メモを挟めるようになります。また講義動画のApple社のiPhoneへの対応や、日本語の講義動画に英語の要約の追加提供により、日本語コンテンツの海外対応も順次行なっていく予定です。  


1.サービス導入の経緯・背景
オープンコースウェア(以下、OCW)は2001年に米国マサチューセッツ工科大学(以下「MIT」)において開始されました。プロジェクトの目的である「すべての講義のコンテンツ(講義に使った資料)をウェブ上で公開する」という目的をMITでは2007年に果たし、現在は第二期として講義のリニューアルと講義動画配信などの拡充や高校生への配信などを進めています。
日本では慶應義塾大学が2005年に他の5大学(大阪大学、京都大学、東京工業大学、東京大学、早稲田大学)とともに日本で初めてOCWを開始し、今年5月には月間利用者が5万人を超える世界でも有数の規模となりました。その間2006年に日本オープンコースウェア・コンソーシアム(事務局:慶應義大学、代表幹事同DMC機構福原美三教授)が設立され、21の主要大学を中心として35団体が加盟する規模(2008年6月現在)となり、組織的な取り組みについては日本が世界を先導する立場になりました。

3年超の活動の結果、以下にご説明するような様々な課題が明確になりました。今後、Keio OCWは、利用者からの期待に応えるために、それらの課題を解決しグローバルな利活用に貢献すべく「次世代OCW」への移行の開始を目指します。
「次世代OCW」の特徴は「オープン・グローバル」そして「Web2.0」(*4)への対応です。インターネット利用環境はこの数年で大きく変わりつつあり、それを表す「Web2.0」はWEB環境として目指さなければならない方向性を表現しています。日本のOCWを先導してきた慶應義塾大学は「次世代OCW」というテーマのなかで「学習者の主体的関与の実現」を目指します。そのなかでfusenというネット上の教育コンテンツを使った学習ツールを開発したキャスタリアと連携して新たな時代のネット協調学習環境の創出をしていきます。
現在のOCWはMITから生まれたいわば「世界標準」を意識したものです。「世界標準」を満たしながらも、これまでのMIT発の輸入型OCWから日本発のオリジナルなOCWを実現し、世界に向けての提案も目指します。

2.サービス概要
(1)サイト名:慶應義塾オープンコースウェア・チャンネル(通称:Keio OCW Channel)
URL: http://castalia.jp/keioocw
(2)サービス内容
慶應義塾オープンコースウェアの動画配信に学習ツールfusenを対応させたオープンなネット協調学習環境を提供し大学の講義をより多くの人々に便利に利活用していただきます。
(3)サービス提供開始日
2008年7月3日(木)

3.利用条件
下記の条件でインターネット接続環境があれば、全国どこからでも無料で利用可能です。
Windows XP / Vista: IE6,IE7, FireFox, Safari
Mac: Safari,FireFox
プラグインAdobe Flash Player: 9,0.115,0以上
Apple iPhone, iPod touch(fusenは未対応)

(*1)オープンコースウェア(OCW)
2001年にMITで始まった大学で正規に提供された講義とその関連情報のインターネット上での無償公開活動です。「知の集積拠点」である大学等がその蓄積された知の典型的な体系化された情報である「講義」の公開を通じて一層の社会貢献を目指していこうということを基本的な狙いとした取り組みです。利用に当たってはいずれの大学の講義情報であっても申し込み・登録は不要です。
MIT OCW URL: http://ocw.mit.edu/
Keio OCW URL: http://ocw.dmc.keio.ac.jp/index.html

(*2)fusen
「fusen」は付箋のデザイン性と機能性を持った動画/音声デジタルコンテンツ用学習ツールです。castalia.jp内のポッドキャストを視聴しながら気になる場面にしおりを付けたり、メモとしてコメントを記録することを可能にしました。それにより視聴後に気になる場面のコメントの再確認や好きな場面からの途中視聴が可能になり、時間を短縮した視聴や「ふりかえり学習」にも役立ちます。他にもコンテンツ提供者側が「fusen」を使い内容を集約してダイジェストを作成すれば、ユーザーにとってより効率的な視聴を提供することも可能です。さらに他のユーザーのfusenを共有すること注2で個々のコメントやメモの知識共有も可能になり、自分だけではわからないところや意味などを、他のユーザーのfusenから教えてもらえるようになります。
「fusen」はPC対応のcastalia.jpの中で提供し、今後はApple 社製のiPod touchに対応したCastalia.jp for iPod touch注3でも本機能の提供を予定しています。
注1: http://www.castalia.jp/ 注2:メンバー登録必要  注3: http://www.castalia.jp/i/

(*3)ポッドキャスト
ポッドキャスト(ポッドキャスティング)は、インターネットを通じて音声や動画コンテンツを連続的に配信可能な仕組みです。全世界で1億台以上注4を売り上げるApple社のiPodをはじめ、日本においても2007年度には携帯音楽プレーヤーの9割注5を超えると見込まれる多くのデジタル型メディアプレーヤー、またはPC、PSPなどのゲームマシン、携帯電話機などで視聴が可能であり、新しい音声・映像の配信方法として世界中に広まっている技術です。
注4:Apple社・2007年4月発表  注5:民間調査会社シードプランニング調べ

(*4)Web2.0
2004年頃から登場し始めた新しい発想に基づくWeb関連の技術や、Webサイト・サービスなどの総称です。「2.0」という表現はソフトウェアの大幅なバージョンアップをなぞらえたもので、1990年代半ば頃から普及・発展してきた従来型WWWの延長ではない、質的な変化が起きているという認識を込めたものです。その特徴は、Web 2.0の大家として知られるTim O’Reilly氏によると以下があげられます。
(1)ユーザーの手による情報の自由な整理 (2)リッチなユーザー体験
(3)貢献者としてのユーザー (4)ロングテイル (5)ユーザー参加 (6)根本的な信頼 (7)分散性

【連携組織概要】
●学校法人慶應義塾大学 < http://www.keio.ac.jp/ >
学校所在地:東京都港区三田2-15-45 開塾:1858年(安政5年)
教職員数:5,249人(2008/03/1) 学生数:33,153名(大学・大学院在籍者)(2008/06/1)
※慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構
2004年に文部科学省科学技術振興調整費の戦略的研究拠点育成プログラムに採択され、設立された組織。デジタルメディア・コンテンツに関連する研究教育活動を通じて、新しい知の創造と流通の国際的な先導を実現し新たな産業・教育・文化・芸術分野等の創出に貢献いたします。

●キャスタリア株式会社 < http://www.castalia.co.jp/ >
キャスタリア株式会社は「オープン&ソーシャル」をコンセプトにした教育向けデジタルコンテンツのソリューション開発および学習向けWebメディア運営を行なっています。コンテンツ配信を行なう企業/学校と個人の間で、学びを通じた新たなコミュニケーション創出に貢献しています。


*本資料は、文部科学記者会、科学記者会、新聞各紙社会部、科学部、文化部等に送信させていただいております。
本発表資料のお問い合わせ先
・慶應義塾広報室 担当:兒玉(コダマ)
TEL:03-5427-1541 FAX:03-5441-7640 E-mail:m-koho[at]adst.keio.ac.jp
・キャスタリア株式会社 担当:山脇(ヤマワキ)
TEL& FAX:03-3942-6393  E-Mail:sato[at]castalia.co.jp

 

参考資料 PDF:
http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2008/kr7a4300000097hg-att/080703.pdf