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4Kオペラ映像、アムステルダムからサンディエゴへライブ伝送

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Era La Notteのパフォーマンスの一部

慶應義塾大学DMC機構LyKEIOn Projectでは、2007年6月20日、21日、アムステルダムにおいて、第60回オランダフェスティバルのパフォーマンス(Era La Notte;イタリアバロックのアリア、ソプラノAnna Caterina Antonacci)を臨場感のある4K映像と多チャネルサウンドで収録し、同時にJPEG2000で圧縮した4K映像と5.1CHサウンドを世界で初めて大西洋を越えて、アムステルダムからサンディエゴまでライブ伝送するという実証実験に成功しました。また収録したコンテンツは、オランダフェスティバルならびに演奏者との覚え書きにより、DMCにおける4K映像コンテンツとして、研究・教育に有効に利用でき、またCineGridを通じて世界の研究教育機関でも使われることになる予定です。

この実験は、DMCが主体的に参加する国際研究コンソーシアムCineGridとの協力で実施され、DMCの他に、Calit2@カリフォルニア大学San Dieo校(UCSD)、オランダフェスティバル、アムステルダム大学、Waag Society、SARA Computing and Networking Services、SURFnetなどが協力・参加しました。

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アムステルダムにおける4k映像上映の様子

この実証実験では、実際のチケットを販売して観客が入っているコンサート会場(MuzieKgebouw)での4K映像収録・中継、16チャネルサウンド収録を行うコンテンツ制作を実施、さらに風景などを含め4時間に及ぶ大量の非圧縮圧縮4K映像のデータのワークフローを実践するという、4K映像制作のチャレンジを行いました。

映像収録においては、ホールならびに照明監督の協力により、オリンパス製の4K動画カメラを2台によるワイドとクロースアップの映像を非圧縮データとしてハードディスクレコーダに収録しました。なお、このために(株)計測技術研究所、NICT(独立行政法人 情報通信研究機構)のご協力により大容量の高速ハードディスクレコーダが利用できました。また、Era La Notteの舞台照明監督の協力で4K映像収録に必要となる最低限の明るさを確保することができました。

実験を指揮したDMC機構の太田直久教授は、以下のように述べています。“4K映像は現在は制作、伝送、表示など、どれをとってもまだチャレンジの連続ですが、技術の進歩はめざましく、近い将来には容易に取り扱えるようになり、広く普及すると思います。今回のようにメディアの研究者がネットワーク技術者や舞台芸術の人々と一緒になることにより、あらたなる創造の可能性も、技術の現状の限界とその解決方法も探求できます。まさに、この新たな分野は実践して初めて学ぶことができ、その課程で次世代のメディアのリーダ(メディアイノベータ)になる人材を育てることができると思っています。”

関連記事:
http://www.calit2.net/newsroom/release.php?id=1122
メーキング:
http://www.youtube.com/watch?v=moL2tl0mlkw

関連URL:
CineGrid
http://www.cinegrid.org
http://www.cinegrid.nl

Holland Festival
http://www.hollandfestival.nl

慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(DMC)
http://www.dmc.keio.ac.jp/

University of Amsterdam, System and Network Engineering Research Group.
http://www.science.uva.nl/research/sne

SARA Computing and Networking Services
http://www.sara.nl/index_eng.html

SURFnet
http://www.surfnet.nl

Calit2 at UC San Diego
http://www.calit2.net
http://www.ucsd.edu

Waag Society
http://www.waag.org

BeamSystems
http://www.beamsystems.nl

Cultuurfabriek
http://www.cultuurfabriek.nl/